- 氏名 (Name):
- 深浦厚之 (FUKAURA, Atsuyuki)
- 所属 (University):
- 長崎大学 (Nagasaki University)
- Email address:
- afukaura@nagasaki-u.ac.jp
- Homepage URL:
- 専門分野 (Major):
- 金融論
- 研究テーマ(Research Theme):
- 流動性に関する理論的・学説史的研究
- キーワード(Keywords):
- 貨幣概念、流動性、債権流動化
- 研究の内容(Research Contents):
-
(1)流動性概念の理論的研究:
「流動性」概念が経済学の中でどのように理解されているのかを理論的に考察する。「流動性選好」との関連、「貨幣概念」との関連などを、学説史的な検討を中心に考察する。交換経済の進展の歴史の中で、貨幣概念が具象的なものから抽象的なものへと変化する過程の一つの到達点が流動性概念の確立といえる。それゆえに流動性を媒介とした種々の市場取引が可能となる。さらに、交換経済が抽象化する以上、その上に構築される文明もまた抽象化の対象となる。貨幣概念と不可欠である死の観念もまたこうした経緯の中で理解できる。
(2)債権流動化の構造に関する理論的研究:
マクロ資金循環システムの中で、債権流動化という考え方が持つ経済学的な意味を考察する。貨幣概念の拡大と債権流動性の関連、流動性の分布と実物経済の関係などが主たる考察対象である。すなわち、金融システムは実物経済活動の支援システムとして意味合いを持つとともに、他方において生産活動を支配下に置く要素も併せ持つ。それは貨幣の異時点間を橋渡しする機能に着目するとき、特に顕著になる。視点を常に実物面に向けることにより、貨幣あるいはその抽象概念である流動性が持つ意味を問い続けていく予定である。
- 主な業績(Major Publications):
- 通常の証券化、事業の証券化と間接金融、「証券経済研究」第49号 2005年「債権流動化の理論構造」 日本評論社 2003年