本研究は本学の国際研究戦略の重点地域であるアジアを研究対象としている。本研究の特徴は、アジア地域の持続可能な成長という国際社会からの強い要請に対して、金融論、国際金融論、ORという三つの経済学の研究分野から多角的に研究を行い、この地域の発展のための政策提言を行うことである。持続可能な経済成長のためには、実体経済と金融システムの調和の取れた発展が不可欠である。

本研究は、日本、韓国および中国からなる東アジア地域を主たる研究対象とする。韓国は、アジア通貨危機とその後の急速かつ大幅な金融システム改革を経験しており、中国は、計画経済から市場経済へ移行し、その経済力は大きくかつ拡大し続けている。同時に東アジア地域の経済発展は、世界の他地域の発展にも寄与する重要なものと位置づけられている。この地域の発展のためには、言語、文化そして制度の異なるこれら三国を統一的に研究できる研究者を育成することが重要であり、日本のみならず世界の経済発展という観点からも高い必要性が存在する。

このような特徴を持つ地域を総合的に研究する能力を育成するために、中国および韓国の研究者と密接なネットワークを構築し、若手研究者を海外連携大学の研究者の下に一定期間派遣し、共同論文執筆を通じて、この地域で通用する国際的な研究能力を育成する。

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Empirical Study on Asian Financial Markets

Edited by Masayuki Susai Hiromasa Okada

本書は、2006年12月に長崎大学において開催された国際カンファレンス等で報告された東アジアの金融市場を対象とした金融および会計学における実証研究の成果をまとめたものである。