各界で活躍する卒業生

長崎高商以来の伝統をもつ本学部は多くの人材を各界とりわけ経済界に輩出してきました。その方々の御名前を1人1人あげるとすれば、まさに枚挙にいとまがありません。

しかし、それを知る手がかりとなる一冊の本があります。それは、2005年に本学部の100周年を記念して長崎新聞社から刊行された『脈うつ瓊林群像 : 長崎大学経済学部100周年』(長崎新聞社編集局編) です (同書には、2003年4月から翌年の6月にかけて長崎新聞に連載された内容が収められています。同書では、「14600人の瓊林群像」と題する当時の瓊林会 (本学部の同窓会) 会長・福地茂雄氏の挨拶文から始まり、県外経済人、九州経済人、平和運動の担い手、教育・文化人、行政・政治家、県内経済人という6つの標題の下で50人近い卒業生たちが紹介されています。むろん、同書に紹介されている方々は、本学部を卒業し、各界で活躍する人々の一部にすぎません。しかし、それでも各界で活躍する卒業生の一端を垣間見ることができます。本学部の卒業生の活躍ぶりを知りたい方には、是非ご覧いただきたい一冊といえます。

さて、本学部では、このように各界で活躍する卒業生は学部の宝であるという考えから、そうした方々とのつながりを大切にし、同時に本学部の事業等にさまざまな形で彼 (女) らの協力を仰いでおります。その一例がキャリア教育のケースです。具体的に述べますと、2010 (平成22) 年度にはキャリア教育の一環として「総合経済b」という正課の講義を開講しましたが、全15回の講義のうち14回に卒業生を講師に招聘いたしました。実社会で活躍する方々を教壇に迎え、文字通りの実学を学生たちに教授していただきました。講師となっていただいた方は、中村法道・長崎県知事や宮脇雅俊・十八銀行頭取ら14人の卒業生の方々です。こうした取り組みは好評を博し、その後も継続しています (現在の講義名は「キャリアデザイン」)。

ここで、本学部の同窓会である瓊林会について触れておきましょう。(公益社団法人) 瓊林会は、長崎高商、長崎経専、長崎大学経学部の卒業生を会員とする同窓会法人組織です。現在、110年の歴史と1万6千人余の会員を有し、全国25箇所の支部を設け、会員相互の親睦を図るとともに母校発展のために事業を行っています。国立大学経済学部の同窓会としては全国屈指の規模といえるでしょう。

最後に、歴代の瓊林会会長 (理事長) の名を掲げてみましょう。下記のように、瓊林会が設立された昭和11年9月から現在に至るまで14人の方がいますが、多くは経済界で重きをなした人物です。

歴代瓊林会会長
就任時期役職名 氏名経歴等
昭和11年 9月初代理事長 西村宗一(株) 十八銀行 取締役
昭和15年11月理事長 脇山勘助長崎電気軌道 (株) 社長
昭和29年 4月会長 冨永能雄京都西陣川島、函館船渠 (株) 社長
昭和33年 1月会長 松原興三松日立造船 (株) 社長・会長
昭和38年 6月会長 桝屋良一長崎電気軌道 (株) 取締役
昭和39年 6月会長 原田龍平(株) 酉島製作所 社長・会長
諸和45年 6月会長 竹田鉄太郎名古屋鉄道 (株) 副社長、(株) グランドホテル 会長
昭和47年 6月会長 池崎 勇日魯漁業 (株) 社長・会長
昭和49年 6月会長 永田敬生日立造船 (株) 社長・会長
平成 6年 6月会長 土井定包大和証券 (株) 社長・会長
平成10年 7月会長 田崎俊作田崎真珠 (株) 創業者・会長
平成13年 7月会長 福地茂雄アサヒビール (株) 社長・会長、NHK 会長
平成20年 6月会長 宮脇雅俊(株) 十八銀行 頭取・会長
平成28年 6月会長 田中健一岡三証券 (株) 社長・常任顧問

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