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卒業生と修了生に贈る言葉(平成9年度長崎大学経済学部卒業証書および大学院経済学研究科学位記授与式告辞)![]()
平成10年3月25日 本日ここに、晴れて長崎大学経済学部の卒業と大学院経済学研究科の修了の日を迎えられましたみなさん、おめでとうございます。みなさん自身のよろこびはもとより、この日にいたるまで日夜みなさんを励まし、物心両面にわたって支えてこられたご父兄や関係者の方々のおよろこびもひとしおのことと存じます。また、みなさんを無事に社会に送り出すことができましたことは、これまで共に過ごしてきた私たち教職員一同にとっても、おおきなよろこびであります。教職員を代表して心よりお祝いを申し上げます。 21世紀を目前にして、我が国は今、幕末、敗戦に次ぐ第3の開国を迫られているといわれております。戦後50年も続いた従来の価値観や行動様式がグローバル化した現代社会にそぐわないものになり、これからの時代にふさわしい新しい倫理規範と行動原理が求められているのです。現在の社会はそれらを求めて懸命に模索している最中であり、新しい時代への移行期という混乱の中にあるといっても過言ではないでしょう。みなさんはまさにこのような我が国の歴史的転換期のまっただ中で、時代の荒波へと船出していくことになるのです。 しかしだからといって決しておそれる必要はありません。本学部・本研究科を卒業あるいは修了することができたみなさんは、この荒波を無事に乗りきって新しい21世紀の時代を担うことができる能力を持っております。大切なことはその能力を絶えず磨きあげ、実力を高める努力を怠らないことであります。本日みなさんは卒業証書あるいは学位記を手にしたわけですが、それは勉学の終了を証明するものでは決してありません。それは勉学の手ほどきの終了を意味するにすぎず、むしろ本当の意味での勉学はこれから始まるのです。 みなさんは社会にでたならば仕事として解決しなければならない、いろいろな問題に直面することでしょう。そしてそれらの問題の解答はほとんど用意されてはいないはずです。このような解答なき問題の答えをだすことがみなさんに求められるのです。解答なき問題の答えをだすためには、さまざまな知識と思考能力が必要です。大学での勉学では、これらの知識の獲得の仕方と論理的な思考の仕方について学んだにすぎません。 みなさんが直面するであろう現実問題を解決するためには、大学で学んだことを手がかりとして、広い教養と専門的知識を身につけ思考能力を絶えず高めていくこと、すなわち本当の意味での勉学が必要であり、それがこれから始まるのだということを決して忘れてはいけません。今後の勉学に努力することによってのみ、みなさんの能力に磨きがかかり実力の向上が期待されるのです。 同時に大切なことは、社会にでてからの勉学をとおして確固とした自分自身を確立し、他人に惑わされことなくあるいはへつらうことなく判断でき、その結果には自己責任をもつという「独立した人格」を形成することであります。そのためにはまず物質的に独立することが必要ですが、それだけではなくさらに精神的に独立すること、すなわち「本当の自分」というものを発見し、それを育成していくことが肝要であります。 現実の現象は絶えず流動し価値観も多様で変化しております。先に申しましたように現在の社会は時代の転換期にありますから、多様性と変化の大きさや速度もまた著しいことでしょう。みなさんが直面する問題の解決にとってその本質や問題相互間の関連性の究明は不可欠ですが、流動する現実の中でこれらはややもすると見失われてしまうおそれがあります。判断を誤らないためには確固としたよりどころが必要であり、それは結局自分で見つけだししっかりと作り上げた「本当の自分」以外にはないでしょう。 自由で解放感に満ちた学生時代は「自己発見」に最適な時期であったわけですが、多くのみなさんにとってはむしろこれからが自分を見つける旅の始まりであろうと思います。社会にでてからもさらに精進することによって、精神的に独立した「本当の自分」を作り上げていくことを願っております。 学生時代はみなさんの人生にとって光り輝いた時になるに違いありません。長崎大学経済学部あるいは大学院経済学研究科で学んだことや経験がみなさんの将来の発展に少しでも役立つことができるなら、私たち教職員にとってこれ以上のよろこびはありません。どうか、本学部あるいは本研究科で学んだことを誇りとし、自信と希望をもって新しいみなさんの時代へと旅立って下さい。みなさんの一人一人が、それぞれの分野で、それぞれのやり方で、21世紀を担っていくことを心から願っております。晴れの門出にあたっていくつかの希望を述べましたが、これをみなさんへの私のはなむけの言葉とし、告辞といたします。 ECON. Nagasaki Univ. |
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