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経済学部林徹教授が「経営管理黒澤賞論文」に入賞
経済学部の林徹 (はやし とおる) 教授は,2024年度 (第35回)「経営管理黒澤賞論文」において佳作に入賞し,6月22日(土) に東京で開催された第65回経営管理全国大会で表彰され,受賞スピーチを行いました。
受賞した論文題名:自己投資による「自然増価」:人間資産会計の思想的考察
概要:人間資産会計 (若杉, 1973, 1979) の思想は,個々の管理者・従業員の「生きがい」「やる気」「誇り」といった人間としての成長,さらには協働関係の確立を重視しています。本人の発意に基づく自己投資は「人間資産関係支出の資産化と費用化のモデル」(若杉, 1979, p. 152) における「自然増価」に位置づけられます。しかしながら,わが国では業務上の必要性に基づく他己投資が税法上の優遇措置によって後押しされているのに対して,自己投資に対する優遇措置はありません。したがって,たとえば,法定三帳簿がその立法趣旨を超えて人間資産会計の思想に適合する形で活用されている事例は探究に値すると考えられます。
経営管理黒澤賞論文は,日本の企業会計制度の発展に多大な貢献を果たした黒澤清博士 (一般社団法人日本経営管理協会第5代会長) の功績を称えて創設されました。2024年度 (第35回) の論文募集の統一テーマは「人的資本の評価と開示」でした。企業経営における人的資源の重要性が増し,その投資や情報開示が求められる中で,この賞は、人的資源の評価と開示に関する独自の視点から,多くの示唆に富む有用で独創的な論文に対して授与されました。
![]() 表彰状を授与される林徹教授 |
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