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経済学部新任教員のご紹介 (釣谷 亮介先生)
令和7年4月1日付で長崎大学経済学部に釣谷亮介 (つりたに りょうすけ) 助教が着任されました。
【研究内容】
「 ゲーム理論を用いた垂直的市場の分析 」
社会にはたくさんの企業がいて、消費者にさまざまな財を販売しています。私はその中でも、部品や原材料を調達する川上企業とそれらを用いて最終財を製造・販売する川下企業が存在するような市場 (垂直的市場) に注目しています。こうした市場を考えるには「どのようにして各企業の利潤を最大にすることができるのか?」というマネジメント的な観点だけでなく、「消費者や社会にとって、どのような規制が望ましいのか?」という競争政策的な観点も重要となります。最近は「どうして自動車の企業間取引は最大で10層にも渡っているのか?」「川上企業が取引相手である川下企業にあえて同じ価格を設定することがあるのはなぜか?」といった疑問をシンプルな理論モデルで扱っていました。
【担当授業科目】
「 ミクロ経済学 」
ミクロ経済学とは、個人や企業などの行動や意思決定を分析する学問分野です。その目的は、消費者と生産者の合意の元で行われる交換の利益を最大化することです。高校生の時に「需要」や「供給」といった言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、自身が担当するミクロ経済学の講義パートではそのような用語の暗記に留まらず、経済問題において重要と思われる原理から出発し、議論の論理的な道筋を注意深くチェックして、常識的な議論の中から本当に筋の通ったものを発見していく…というプロセスを体感してもらえたらと思っています。
【学生の皆さんへメッセージ】
大学生にとっては特に、読書と日記作成が大事になると思っています。乱読や精読で培った語彙をもとに日々を言語化することで、現在の課題・疑問・問題意識を発見し、仮説を立てて試行錯誤しながら解決できるものは (部分的にでも) 解決していく。その繰り返しが大事だと思います。
そうして鍛え上げた言語化能力・問題解決能力はレポートや答案作成でも必ず役立ってくれますし、未知への感受性・向き合い方を養い、無意識下での決定基準となるような信念を培い、自身の限界を超えるような挑戦を支える確固たる土台となってくれるでしょう。
適度に運動と休息を取り、人との出会いや繋がりを大事にし、健やかな日々を送ってもらえれば幸いです。