NEWS
経済学部新任教員のご紹介 (田村 由美子先生)
令和7年7月1日付で長崎大学経済学部に田村由美子(たむら ゆみこ)教授が着任されました。

【研究内容】
「アジアの開発途上国との協働・共創」
私は開発途上国への支援を行う国際開発金融機関で勤務していたので、最近まで25年以上アジア諸国で暮らし働いてきました。アジアは世界の成長センターと呼ばれ、この40年ほどで目覚ましい発展を遂げました、一方、貧困や格差拡大は解消から程遠く、気候変動や地政学的緊張の影響も深刻です。このようなアジアの成功と困難を間近に見てきた経験から、アジアの開発途上国の社会経済発展に向けての政策立案・実行や援助供与における問題点と解決策が研究対象です。アジア諸国の発展はそれ自体が重要課題であると同時に、日本にとっても経済、外交、人的交流などの点から自分事として考える必要があります。開発協力といっても、相手国を助けてあげるという姿勢ではなく、一緒に前進するためにはどうしたらよいかを考えています。
【担当(予定)授業科目】
「国際関係論」を担当予定で、特に国際開発政策を皆さんと探究したいと思います。テーマは、開発途上国の経済成長に目を向けつつ、どうやって援助供与側から有効な援助政策やシステムを策定するための枠組みを提供するかということです。例えば、開発推進のための制度・能力が脆弱だったり、国民経済の発展段階が低く市場が低発達であったり、経済学の法則や慣例が必ずしも当てはまらない状態には、個別の処方箋が必要になります。私自身が長年親しんできたアジア諸国、なかでもアセアンやメコン川流域諸国の現状を踏まえ、開発の現場では何が起きているのか、目前および中長期の開発課題は何か、実現可能な解決策は見出せるのか、一緒に考察してみましょう。授業の一部を英語で行うことも検討しています。
【学生の皆さんへメッセージ】
皆さんの年代は、悩みや不安がたくさんあるでしょう。でも、「私なんて」とは決して言わないで!自信はなくとも、「私だって」あるいは「私だからこそ」と自分に言い聞かせ周りの人にも宣言し、とにかく好きなこと、得意なことを追及してください。考えることを決して止めずに、結論が出なくても納得できなくても、勇気を持って動いてみる。その先に、きっと、素敵な運や縁が待っているはずです。長崎大学はそういう皆さんを励まし、支え、導く環境が整っていると思います。