藤野哲也のロンドン・レポート

ロンドン・レポート No.3 「 Abbey Road の落書き 」


 家からそう遠くないところに Abbey Road があるので歩いてみた。Abbey Road と聞いて、「ん ?!」と思う人はビートルズ・エイジか音楽通である。かく言う私もビートルズ・エイジの一人である。( Puffyは余技である。)

 EMI の Abbey Road Studio でレコーディングをしていたビートルズが、新しいアルバムのレコード・ジャケットに、スタジオ前の横断歩道を渡っている写真を使った。ジョン・レノン、リンゴ・スター、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンの順で4人が歩いて渡ったのだが、これで通りは有名になった。60年代のことである。

 EMI の Abbey Road Studio は今でもあるが、訪れるファンは後を絶たないらしい。道路沿いの白い壁は落書きされては塗り直されていて何も残っていなかったが、代わりに前の歩道の敷石にたくさん落書きが残っていた。一番新しいのは 「 97・9・20 」とあった。ここに来た記念の落書きを残し、その歩道を歩いてみるのがファンにはたまらないのだ。

 私も4人が歩いた方向に向かって渡ってみた。

 音楽はやはりビートルズである。ロンドンに来てよかった。

 September 25, 1997

 ロンドンにて  藤 野 哲 也




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