氏名 (Name):
須齋 正幸 (SUSAI, Masayuki)
所属 (University):
長崎大学 (Nagasaki University)
Email address:
msusai@nagasaki-u.ac.jp
Homepage URL:
http://www.econ.nagasaki-u.ac.jp/staff/msusai/index.html
専門分野 (Major):
国際金融論(International Finance)
研究テーマ (Research Theme):
Microstructure of Foreign Exchange Market
キーワード (Keywords):
volatility , market microstructure , ultra high frequency data
研究の内容(Research Contents):

テーマ1:外国為替市場のボラティリティ特性に関する研究

本テーマのもとでは、外国為替市場のボラティリティ特性に関して、理論的および実証的な研究を行っている。円ドル市場を対象とし、同一市場におけるボラティリティの時間特性、同一時間帯における他市場間のボラティリティ特性を超高頻度データ(Electronic Broking System)を用いて計測し、ボラティリティの変動特性の源泉を探索する。従来の研究では、市場の開始時と終了時にボラティリティが高いという可能性が示唆されているが、その原因は必ずしも明らかではない。また経済指標などの特定の情報流入の影響を、市場の効率性からテストする研究もなされてきたが、これまでのデータは呼値(quote)による検証であり、取引データによるものは限定されてきた。本研究では実際に取引に用いられた超高頻度データを用いて、上記の課題を実証的に検証するものである。また個別ディーラーの行動特性を為替レートの変動特性の源泉の一つとして捉え、ディーラーのリスク態度を AHPにより計測し、これらの特性とボラティリティ特性の関係を東京、ニューヨークそしてロンドン市場において検証する。

テーマ2:アジア金融市場間のボラティリティ構造に関する研究

域内貿易が活発に行われるなど、アジア域内では経済の結びつきが国際的に緊密になってきている。実物市場でのこのような特徴を踏まえ、ここでは株式市場を対象とした金融市場における域内の連関性を実証的に研究する。株式市場特性の指標として株価指数のボラティリティを用いて、主要金融市場間のボラティリティスピルオーバー構造を実証的に検証する。その際、国際ポートフォリオマネジメントの観点から二国間の為替レートの影響を明示的に考慮する。また域内の金融市場は一般にニューヨーク市場の影響を受けるとの認識がなされているため、これら域内市場間のボラティリティ構造に影響を与える要因を排除し、域内金融市場の相互依存性を検証する。二国間為替レートの影響を分析することで、域内の最適な為替制度について政策的インプリケーションが明らかとなる。またニューヨークをはじめ他の国際金融市場の影響を分析することで、アジアの金融市場の効率性を明らかにすることができる。これらの成果は、将来構築されるべきアジアの金融市場に必要とされる政策的要件を明らかにすることができる。

主な業績(Major Publications):
“Volatility Spillover Structure of Stock and Foreign Exchange Rate Market between Korea, Japan and Hong Kong,” In Y.Kurihara et.al (eds,) Global Information Technology and Competitive Financial Alliances, Idea Group Inc, 2006, pp.162-181

“Empirical Analysis on the Volatility Spillover among Northeast Asian Stock Market with the effect of Bilateral Foreign Exchange Rate Fluctuation,” Proceedings of the 18th The Asian Pacific Conference on International Accounting Issues, Hawaii, 2006

“Tokyo or New York: Which lead Asian Foreign Exchange Market? ,” Proceedings of the 2nd East Asia Accounting and Finance Conference, Nagasaki University, Nagasaki, 2006,pp.143-181

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Empirical Study on Asian Financial Markets

Edited by Masayuki Susai Hiromasa Okada

本書は、2006年12月に長崎大学において開催された国際カンファレンス等で報告された東アジアの金融市場を対象とした金融および会計学における実証研究の成果をまとめたものである。