長崎大学大学院経済学研究科 概要 2024

長崎大学大学院経済学研究科 概要 2024

先輩からのメッセージ

仕事と学びを両立させ学び直すことで得た価値と成果

令和5年3月博士前期課程修了
博士後期課程在籍中

経営コンサルタント

髙濵有志

挑戦と進化

 経営コンサルタントとして経験を積む中で、より、学問的な知識を得るために長崎大学大学院に入学しました。長崎大学大学院では、ビジネス管理に関するさまざまな分野で幅広い知識とスキルを身につける機会が提供されおり、社会人として学び直すには役立つコースになっていました。私自身学び直せた事項は次の点です。

  1. 戦略的マネジメント
  2. 組織行動学
  3. マーケティング
  4. 財務管理
  5. 経営戦略

 実務で常に行っていましたが、改めて学問的に学び直す機会を得ることにより経営コンサルタントとして、より顧客満足度の高いサービスを提供できるようになると思います。

 また、仕事と大学院での研究を両立させるには、時間管理や計画立て、効率的な学習方法の確立などが必要です。社会人として学び直すには、時間管理ができる職域になってからがいいでしょう。両立させる上で私が留意した事項は次の点です。

  • 1.スケジュールの調整:仕事と大学院の授業や研究活動のスケジュールを把握し、効率的に両方を調整します。
  • 2.優先順位の設定:仕事と大学院の両方において、優先すべきタスクを設定し、時間を割り当てます。重要度や締め切りに基づいて優先順位を決定します。
  • 3.効率的な学習法の採用:学習時間を最大限に活用するために、効率的な学習法を採用します。例えば、メモを取る、要約を作成する、実務上用いている様々な手法を適宜活用します。
  • 4.バランスの取り方:仕事と学業の両方に充分な時間を割り当てるだけでなく、リラックスや趣味に時間を取ることも大切です。バランスを保ちつつ、ストレスを軽減し、モチベーションを維持します。
  • 5.柔軟性の確保:スケジュールや計画に変更が生じた場合に柔軟に対応し、必要に応じて調整します。時には妥協が必要な場合もありますが、焦らずに前進します。

 仕事と大学院の両立は挑戦的な事柄ですが、適切な計画と努力によって実現可能です。その結果得られた学びは、非常に大きいものがありました。

培った能力は研究者はもちろん実社会でもとても役立つもの

令和4年3月博士後期課程修了

長崎県文化団体協議会

新井友梨

能力に投資

 博士課程に入学して修了するまでには、時間も、手間も、お金もかかります。特に、働きながら通う際は、日々のやりくりにも、ちょっと工夫が必要です。ただ、様々な苦労を投資した以上のリターンが、自身の能力として返ってくることは実感できると思います。
 私は、主にクラシック音楽業界をフィールドとしながら、アートマネジメントや文化経営学の専門家として、主に公共文化事業等に従事しています。公共文化事業の現場では、アーティストのみならず、行政や企業、市民など、多様なステークホルダーとの折衝が日常的に行われます。加えて、公的資金を投入するため、その都度、成果を各ステークホルダーに説明する必要があります。博士課程を受験するにあたり、私が抱えていた課題は、文化芸術という、定性的には一定程度説明(評価)できても、定量的に評価し難い分野について、各方面にどのような成果の示し方があり得るのか?また、定量的に評価し得るとすると、どのような方法を通じて実態に即した評価が可能なのか?というものでした。そして、運よく数学がご専門の先生にお声掛けいただき、データ包絡分析法(DEA:Data Envelopment Analysis)を、オーケストラの複数項目からなる実績データに適用した、新たな定量的な評価方法を提案することができました。そして、修了後も、業務と関連して、この研究の次の展開を検討中です。
 博士論文の執筆過程には、①あるテーマに関する先行研究や現在進行中の事象を網羅的かつ確実に把握し、②それに基づいて自身の研究テーマを確立し、③仮定を立て、分析方法を決定して検証し、考察して、④最終的に新規性・独創性・検証可能性等を伴った理論を発表する、という大きな流れがあります。博士課程は、この一連の過程を通して、各研究分野で研究者として独り立ちする知識・技能を身につける場です。ただ同時に、ここで培った能力は、実社会でもとても役立つものです。個人的には、多様な情報を収集し、選択し、整理して、編集する能力が以前と比べ向上し、日々の業務が効率化され、総じて自分が楽になった(←ココが重要!)気がします。研究者を目指す方はもちろん、ビジネスの世界でご活躍の方々にも、この体験はおススメです。ぜひご検討ください。

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